
石和を特徴づけるのは、その美しい「水」である。
その水は、一つは良質な温泉につながり、もう一つでは、良質な泉質を活かし育てられた美しい錦鯉、さらには、その錦鯉に似つかわしい日本庭園、という文化につながっている。
こうした石和の自然の恵みによるそれぞれの地域の資源の「価値」(ストーリー)を一つ一つしっかりと改めて構築することで、国内外の観光客に伝え、そして学んでいただけるような形にし、観光コンテンツ化する。
また、その中の一つの温泉については、現在、国の方で「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産登録に向けた取組が進められているところであり、
石和温泉をはじめとする山梨県での機運醸成を図るために、石和温泉の「価値」(ストーリー)等を皆で協議し、発信する場を設ける。
錦鯉は、石和温泉の良質な泉質を活かし世界に唯一無二の錦鯉をとの想いで1969年にこの地で生産が始められ、長く絶え間ない錦鯉の美への追求、研究の結果、「松之助三色」をこの世に排出し、 全日本錦鯉品評会でも4度の日本一の称号を頂くほどの錦鯉をこの世に生み出してきた庭園は、例えば、かげつにおいては、館内は全国各地から集めた巨岩、奇石、銘石で荘厳な空間を織り成し、さらに、石を積んで築いた『築山』もこの庭園内に配されており、石の持つ静寂さとやすらぎが心と体の疲れを癒してくれるものとなっているなど、人が知れば、これだけで一度は訪れてみたいという価値(ストーリー)があるところ。
石和は1961年に石和のぶどう園から高温の湯が湧き、泉質はアルカリ性単純泉で、神経痛や打ち身、慢性消化器病、冷え性などに効能があるとされ、各宿が温泉宿として営業しているが、日本各地の温泉との差別化がうまく図れていないところ。
本事業を活用して、地域資源の価値(ストーリー)を国内外の観光客にわかりやすく、かつ、学びがあるような形で、しっかりと見える化、さらには伝えるとともに、温泉についても、必要に応じて科学的な分析も加えるなどして、他の温泉との差別化を図り、石和でしか得ることのできない体験価値を構築し、国内外の観光客の取り込みを図る。