山梨の秋限定!白ぶどう品種「甲州種」を使った甲州銘菓「月の雫」とは?
2015.10.24
こんにちは!銘石の宿かげつ編集部です。
当館がある山梨県笛吹市は、ぶどうや桃の生産量が日本一と知られており、夏から秋にかけて果物の最盛期を迎えます。
その中でも、9月のぶどう狩りシーズンとあわせて、この時期でしか食べられない山梨の秋限定甲州銘菓「月の雫」をご存知でしょうか?
秋限定(9月~12月頃まで)の販売ですが、早いところでは販売開始後3か月以内には売切れとなってしまうほどの大人気ぶり!しかも地元の方のみならず、県外の方からのリピーター購入も多いとか?!
今回はこの「月の雫」について、その正体と人気の秘密をご紹介させていただきます。
目次
丸くて白く、見た目がかわいい甲州銘菓「月の雫」。
見た目だけでは何でできているか全くわかりませんね。
実はこれ、山梨県を代表する白ぶどう品種「甲州種」を、手作業で丁寧に一粒一粒砂糖蜜で白くコーティングをしたお菓子なんです。
ではいつ、どのようにして「月の雫」は作られるようになったのでしょうか?
「月の雫」の誕生については実は2説あります。
・江戸時代、山梨県甲府市にあった老舗和菓子店で砂糖を煮ていたところ、近くにあったぶどうが一粒落ち、それが冷えて固まったところできあがった。のちにこれを甲府藩主の柳沢吉里に献上したところ、「月の雫」の銘をいただいた。
・明治10年、山梨県甲府市にある和菓子店松林軒の三代目音兵衛が、煮詰めいている砂糖の中にぶどうの粒が偶然落ち、冷えて固まったところできあがった。それがまるで広いぶどう畑に降り注ぐ「月の雫」に見えた。
どちらの説にせよ、「月の雫」は200年以上前には誕生しており、山梨県の銘菓として存在していました。
ただ「月の雫」は必然的ではなく、偶然的にできあがったお菓子だったというのは予想外ですね。
「月の雫」は、毎年その年に収穫された生の白ぶどう品種「甲州種」を、一粒ずつ使用して作られるため季節限定商品、なおかつ材料がなくなってしまえばその年の生産は全て終了。
こうした背景から、秋にかけてお客様からの注目が集まります。
実際に「月の雫」を召し上がったお客様からは
・一粒噛んだ後の砂糖蜜の甘さと生ぶどう特有の酸味・生ぶどうのジューシーさがとても相性がいい
・今まで食べたことがないお菓子、食感がおもしろい
・まるで芸術品のよう!ゆっくり砂糖蜜を溶かし味わっていると、生ぶどうの果汁があふれ出てくる
・「月の雫」を食べないと秋の訪れを感じないので毎年食べています!
・毎年山梨に帰省した際に、お土産として購入しています
と、なぜ「月の雫」が人気なのか、お客様の感想からその様子がうかがえます。
「月の雫」で使用されているぶどうは、山梨県の白ぶどう品種「甲州種」。
白ぶどう品種「甲州種」は、皮が厚く、酸味が強いため、砂糖蜜でコーティングをしてもぶどう本来の味が損なわれないそうです。
では「月の雫」の作り方とは?
1.ぶどうを一粒一粒切り分ける
2.砂糖蜜作り
材料(主にザラメ)を高温で溶かして蜜を作り、それを冷ましたものを練り上げます。時間が経つとすぐ固まります。
お菓子メーカーによって材料(ザラメ・上白糖・水あめ等)は異なるため、ここで各メーカーさんによる「月の雫」の特徴がそれぞれ現れます。
3.蜜をとかす
2で時間が経ち固まってしまった蜜を、電気コンロを使用し、ゆっくり溶かします。
4.ぶどうに溶かした蜜をつける
手作業で一粒ずつ、蜜が均一になるようにつけていきます。
5.乾燥・ぶどうのヘタ切り
以上から、製造工程はあまり多くない印象を受けますが、これらの作業を全て手作業で行っているため、大変労力を要する和菓子作りということをひしひしと感じます。
銘石の宿かげつの売店においても「月の雫」を取り扱っておりますが、その年の製造状況によっては売店で取り扱うことが難しい場合がございます。
しかし、そんな時は当館近くでも「月の雫」を販売している和菓子店がございますので、観光のついでに足を延ばしてはいかがですか?
1832年創業の老舗和菓子店。
大量製造、大量生産を一切せず、丹精を込めた和菓子作りをモットーに、日々伝統の味を守り続けています。
諸説では、ここ松林軒豊嶋家が「月の雫」の元祖であり、4代目が「月の雫」の商標権を開放したため、様々な和菓子店でも「月の雫」が作られ販売されるようになったとか。
松林軒豊嶋家は甲府市中央(甲府駅から徒歩15分)と甲府市国玉町に店舗があります。
当館より車で5分程に位置し、山梨県を代表する銘菓桔梗信玄餅の製造工程が見学できるテーマパーク。
工場に併設されている店舗では、桔梗信玄餅以外にも桔梗屋が販売している様々なお菓子を購入していただけます。その中にはもちろん「月の雫」もあります。
ちなみに、「月の雫」の販売時季には、工場で「月の雫」の製造工程の見学が始まるようです!
http://themepark.kikyouya.co.jp/
1894年(明治27年)に米津風月堂(現東京風月堂)より分家し、山梨県甲府市に店舗を構えました。
現在は、甲府駅より徒歩10分程の場所にあります。
店舗には茶寮 風月堂という甘味処がありますので、観光途中の休憩場所としてもおすすめです。
こちらでは、Webサイト上でも「月の雫」の販売を行っていますので、遠方の方には必見ですね!
https://fugetsudo-kofu.jp/index.html
1938年に創業した和菓子製造販売店です。
「月の雫」専用のぶどう畑で収穫をされた白ぶどう品種「甲州種」を、丁寧に真心をこめて作り続けること80年、青い外箱に金色の印字が目印の商品です。
例年9月~販売開始のようですが、8月頃からは注文を受け付けています。
米国誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」の発表する「日本庭園ランキング」において当館自慢の日本庭園が毎年上位にランキングされております。
季節の移ろいや優雅に泳ぐ鯉達を存分にお愉しみいただけます。
≪プラン特典≫
①お散歩用に「庭園マップ」をご用意(お一人様一冊)
②お一人様ひとつ鯉の餌プレゼント
夕食は甲州の味覚をお部屋食でのんびりと。
『かげつ甲州牛の溶岩焼き』に舌鼓。
ゆったり贅沢なひとときをお過ごし下さい。
情緒あふれる6,000坪の日本庭園をながめ、石和の6つの源泉が豊富に注がれる広々とした大露天岩風呂で癒しのひとときを。
いかがでしたでしょうか?
今回「月の雫」をご紹介する中で、大変古い歴史があり、長く親しまれてきた銘菓であること、手間をかけて作られるからこそ味わい深いこと、短い販売期間でもそれを楽しみにしてくださる方が多いこと、といった「月の雫」の人気ぶりがよくうかがえました。
是非秋に山梨を訪れた際には、秋の代表銘菓「月の雫」をお土産として購入されてはいかがですか?